1904年、当時時計といえば懐中時計全盛の時代 ルイ・カルティエの友人であったブラジル人飛行家、アルベルト・サントス・デュモンより「飛行機の操縦かんから手を離すことなく見ることのできる時計が欲しい」と 言われたことから誕生した「サントス」。
高名な時計職人エドモンド・ジャガーの助けを借りて開発されたこの時計ですが実際の一般発売は1911年です。それ以来ほとんどそのデザインを変えていないカルティエ(Cartier)を代表する正にスーパーロングセラーです。またこのサントス ウォッチこそが世界で最初の本格腕時計と言われています。
そしてサントス誕生100周年を記念して発売されたサントス100は現代の流行にあわせケースを大型化し男性を中心にまた大ヒットを飛ばしたことでも記憶に新しいです。
1917年、第一次世界大戦中に戦車(タンク)にインスピレーションをうけたルイ・カルティエが「取り戻された平和を祝福する」という意味をこめてつくりあげたウォッチ。あえて戦争の象徴であるような戦車のキャタピラをイメージすることで勝ち得た平和を記念したモデルがこの「タンク」です。 時計のケースといえば丸型が当たり前だった時代、ルイは「丸は大小のアレンジしかできないが、 四角には無限の可能性がある」といって角型のケースを考案しました。
その時代においては衝撃的な洗練された四角いフォルムと、どこから見ても完璧に調和した美しいラインは、世界中で数多くの女性に愛され、カルティエウォッチの中でも不動の人気を誇っています。またメンズや素材違い、またはタンクフランソワーズやタンクアメリカンなど派生モデルを数多く産んだのもその人気故でしょう。
エル・ジャウイ公がルイ・カルティエに「水泳時にも着用できる時計を」と、依頼したことがきっかけで誕生したといわれるのが「パシャ」です。 パシャとはそのエル・ジャウイ公がマラケシのパシャ(太守)であったことに由来すると言われています。なかでもパシャCは、カルティエ初の防水時計として待ち受けていたカルティエウォッチのファンのみならず爆発的ブームを呼び起こし、世界各国のセレブに愛用されました。 リューズには、防水性を確保するためのキャップがつけられ、その細やかな宝飾がカルティエのセンスの良さと確かな技術を感じさせます。またパシャシリーズには文字盤を覆うグリッドを装着したものもあり、これが時間を見るだけでなくあえて視認性を犠牲にしても美しさを競う貴婦人たちに愛された理由でもあります。
ベニュアールやロードスターなどその後も数多くの時計を産みだしてきたカルティエウォッチ(Cartier Watch)ですが、その後も様々なモデルを発表していきます。
そしてついに2010年のジュネーブ・サロン(SIHH)で発表され、大きな話題となった「カリブル ドゥ カルティエ(CALIBRE DE CARTIER)」。それはいままで女性物が多くメンズモデルにしてもレディースモデルのバリエーションの1つでしかないと思われていたカルティエ初のメンズ・ウォッチ専用コレクションです。
大ぶりのケースにカルティエの伝統を崩さないが大胆な文字の配置とデイトや秒針、クロノグラフがデザインされた文字盤。2014年にはダイバーモデルも発表されあっという間に人気の時計となりました。