海外旅行を楽しむついでに、ブランド品を購入する計画を立てている方もいるかもしれません。
とくに高級時計のロレックスは、海外の免税店で買い付けた方が国内よりも安く手に入るケースも考えられます。
ただし、何の知識もなくロレックスを買い付けてしまうと後悔するかもしれません。
今回は、ロレックスを海外で買い付ける際に気をつけたいことや、税金周りや購入制限などについてご紹介します。
ロレックスを海外で買い付けると安い?
ロレックスの海外買い付けは、必ずしも安くならないのが現実です。
ロレックスはブランド力を保つために、世界中どこでも同じような正規価格で販売されています。
とりわけ、国際的な知名度があるメーカーは価格差を最小限に抑える方針を取っており、年に1~2回の価格改定によって各国間の価格差を調整しているのです。
さらに、海外購入では両替手数料や税金、輸送コストなどの追加費用が発生するため、表示価格以上の負担が生じることがあります。
ただし、シンガポールなど消費税が比較的安い国や、円高時期の為替メリット、免税店での購入では安くなる可能性もあります。
ロレックスを海外で買い付けるメリットを紹介

ロレックスを海外で買い付けると、日本国内にはないさまざまなメリットが発生します。
はじめに、メリットについて詳しくお話しましょう。
免税店で購入すれば安く手に入るケースもある
正規価格は海外ブランドが定めます。
日本では諸外国と比べると、その正規価格が高めに設定されている傾向があります。
ロレックスを買い付ける際、免税店を利用すれば商品にかかる税金が免除されます。
つまり日本国内で購入するよりも、リーズナブルな価格でお得にロレックスを入手できる可能性があるということになるでしょう。
珍しいモデルとめぐり合える
ロレックスには日本限定モデルが存在しています。
それと同様に、海外に行けば日本国内では見たことのない珍しいモデルとめぐり合えるかもしれません。
日本とは異なる品揃えの中から気に入ったロレックスを買い付けられるといった点は、大きなメリットだと言えそうです。
また、ロレックスの海外正規店や本店で購入する経験は一生の思い出に残り、より愛着が湧くでしょう。
海外で購入しても正規保証が受けられる
ブランド品によっては海外で買い付けた品に関しては、保証やメンテナンスなどアフターサービスの対象外になっているところもあるようです。
その一方で、ロレックスは海外で買い付けた品であっても、問題なく正規店でメンテナンスを受けられます。
ロレックスは、最低でも5年に1度はオーバーホールを行う必要があります。
国内で購入したロレックスと同様にメンテナンスが受けられる点は、長く愛用したい方には大きなメリットだといえそうです。

また、ロレックスが故障してしまったときの保証に関しても、海外で買い付けた時計であっても問題ありません。
ロレックスを購入した際には「国際保証書」が発行されるため、海外で買い付けたロレックスであっても、期間内はしっかり保証されます。
- 免税店で、ロレックスが安く手に入る可能性がある
- ロレックスの珍しいモデルとの出会いが期待できる
- 海外で買い付けたロレックスも正規保証が受けられる
ロレックスを海外で買い付けするデメリットや注意点


安く購入できる可能性があり、保証の面でも充実しているロレックスは、海外で買い付けをしても何の問題もないと感じるでしょう。
しかし、わずかながらデメリットも存在しています。
何も考えずにその場の勢いだけで購入すると、後悔につながるかもしれません。
ここでは、ロレックスを海外で買い付けるデメリットをご紹介します。
海外買い付けのメリット「安く買える」は要注意
先ほどメリットの項目で「免税店で購入すれば安く手に入るケースもある」とお話しました。
しかし、購入時には、価格を良く見比べる必要があるといえます。
免税店と聞くと「税金が免除されるのだから、日本国内よりも安くブランド品が購入できるに違いない」といったイメージを抱くでしょう。
実際に日本よりも安く手に入るブランドがある一方で、ロレックスはそうとは限らないようです。
理由としては、ロレックスは海外との価格差が少ないブランドという点があげられます。
ロレックスは世界中でブランド力を維持することを目的として、どこに置いても等しい価格を持とうとしています。
簡単に言うならば、どこの国どこの場所で購入しても同じ正規価格で購入ができる環境を理想としているのです。
そういった企業の理念から、ロレックスを海外で買い付けても、日本国内とあまり変わりがなかったというケースもあります。
国内よりも偽物を購入してしまうリスクが高まる
正規取扱店や免税店以外でロレックスを購入すると、偽物であるリスクが高まります。
それは日本国内であっても同様ですが、海外の場合は言葉が通じにくく、偽物をつかまされてしまう可能性が高まるでしょう。
ロレックスは世界中で人気のあるブランド時計だからこそ、偽物も数多く出回っています。
海外で買い付ければ安く手に入るかもしれないという消費者の心を利用して、あえて外国人を狙った詐欺グループも存在しているので注意してください。
各種手続きの手間がかかる
海外旅行中に購入したブランド品を、日本への持ち込みをする際に関税や消費税がかかります。
関税に関しては免税枠があり、合計額が20万円を超えたときには課税対象になるでしょう。
ロレックスの時計はハイブランドであることから、20万円を超えるケースがほとんどです。
つまり、関税や消費税の対象になります。
帰国時には日本の税金が課税されるため、自分で各種申告をする手間がかかるということになるでしょう。
- 安く買い付けたいなら「日本と比べて安いか?」は要チェック
- 言葉が通じにくいため、偽物を購入するリスクが高まる
- 課税対象になるため、帰国後に手続きの手間がある
ロレックスを海外で買い付け!日本国内で行う手続き


ロレックスを海外で買い付けたときには、帰国したタイミングで、関税にて税金まわりの手続きをしなくてはいけません。
免税店で購入しても、その国で税金が免除されているだけであり、日本国内では課税対象になるためです。
免税枠として20万円が設定されているものの、ロレックスの場合はオーバーしてしまうでしょう。
しかし、購入した金額の全額が課税対象ではありません。
購入した金額の6割が対象であり、その金額に消費税率(7.8%)と、地方消費税率(2.2%・消費税額の22/78)の合計10%を税金として支払うことになります。
例えば、50万円のロレックスを海外で買い付けたと想定します。
そうなると、課税対象となる価格は30万円で、最終的に支払う税額は3万円ということになります。
もし、日本で50万円のロレックスを購入したならば、消費税を合わせて55万円の支払いです。
海外ならば総額53万円の支払いになるため、買い付けた方が2万円ほどお得に手に入ったということになるのです。
ロレックスは出国する際にも手続きが必要


ロレックス愛好家の方の中には、海外旅行に行くときにも着用したいと考えている方もいるかもしれません。
海外で買い付けたロレックスを日本国内に持ち込むときには、手続きが必要だというのは知っていても、出国するときのことは盲点になっている方も多いようです。
日本から出国する際には、当然出国審査を受けることになります。
出国検査でも税関を通っており、その際、ロレックスを含む高級腕時計は忘れずに申告する必要があります。
なぜ申告しなくてはいけないのかと言うと、「出国時から持っていた」ということを証明するためです。
かつて一部の詐欺グループが主導して、海外でロレックスの買い付けをし、身につけて帰国するという手段が横行していました。
出国時に手続きをしていないと、海外旅行をする前から所持していたという証明ができず、課税対象になってしまいます。
こうした行為は密輸に該当し、犯罪行為とみなされるので注意が必要です。
日本正規店ではロレックスの購入が制限されている


日本のロレックス正規店では、実際に購入制限が存在します。
制限が設けられた主な理由は、転売対策とできるだけ多くの人に時計を届けるためです。
需要に対して供給量が少ないため、複数本の購入を制限することで、本当に欲しい人により多く届けようとしています。実際に、日本独自のルールで、海外では購入制限は実施されていません。
最新の購入制限
制限内容 | 期間 | 対象モデル |
---|---|---|
全モデル購入後の制限 | 6か月間 | 全モデル |
同一モデルの再購入制限 | 5年間 | 全モデル |
指定モデル間の制限 | 1年間 | デイトナ・サブマリーナー・GMTマスターII等 |
支払い方法 | – | 本人名義クレジットカード必須 |
身分証明書 | – | 顔写真付き身分証必須 |
2024年12月16日から新しいルールが導入され、以前よりも制限が厳しくなりました。
まず、どのモデルを購入しても6か月間は新たなロレックスの時計を購入できません。
また、購入時には本人確認書類に加えて本人名義のクレジットカードが必要となり、現金のみでの購入はできなくなりました。
海外のロレックス買付けに関するよくある質問
海外でロレックスの購入を検討している方や実際に買い付けを計画している方に向けて、よくある質問とその答えをまとめました。
特に初めて海外でロレックスを購入する方や、手続きや税金面など不安を感じている方は、ぜひ参考にしてみてください。
ロレックスが買いやすい国はどこですか?
ロレックスが買いやすい国はシンガポール、ドイツ、スイスが特におすすめです。
シンガポールでは観光客に対するフレンドリーな接客があり、実際に午前中に訪れただけでスポーツモデルを購入できた事例があります。
ドイツでは時計大国スイスの隣国という地理的利点により供給が安定しており、現地の購入希望者が少ないため観光客にもチャンスが回ることが多いとされています。
スイスについてはロレックスの本国であるため流通コストが少なく、付加価値税も8.1%と他のヨーロッパ諸国より低く設定されています。
さらに外国人旅行者は300スイスフラン以上の買い物で免税制度を利用できます。
成田空港の免税店でロレックスは購入できますか?
成田空港の免税店でロレックスを購入することはできません。
羽田空港でも2023年にロレックスの免税店が閉店してしまい、成田空港も同様に在庫や店舗がありません。
海外の空港、例えば香港の免税店なら購入できる場合がありますが、日本国内では正規店や他の方法を探すほうが現実的です。
日本でロレックスを免税で購入する方法はありますか?
日本でロレックスを免税で購入する方法は、海外勤務などの非居住者条件を満たせば可能です。
なぜなら、日本の免税制度は主に外国人観光客向けですが、日本人でも海外在住や勤務で非居住者と認められれば、消費税10%を免除できる仕組みになっているからです。
国内在住の日本人は対象外になってしまいますが、条件をクリアすればお得に購入できます。
海外でロレックスを買い付けると税金がかかる?
海外で20万円を超えるロレックスを購入すると、日本への持ち込み時に税金がかかります。
税金の種類 | 税率 | 備考 |
---|---|---|
消費税 | 7.8% | 購入金額の60%に対して |
地方消費税 | 2.2% | 購入金額の60%に対して |
関税 | 0% | 腕時計は無税 |
合計税率 | 10% | 課税対象額の合計 |
海外で購入したロレックスには、購入金額の6割に対して消費税と地方消費税合計10%が課税されるからです。
たとえば100万円のロレックスを海外で購入した場合、60万円が課税対象となり、6万円の税金を支払うことになります。
20万円以下なら免税対象ですが、ロレックスは通常この金額を大きく上回るため、ほぼ確実に課税されます。
したがって、海外でロレックスを購入する際は、税金を含めた総コストを計算してから購入を検討することが重要です。
海外でロレックスを買い付ける前に正しい知識を得よう


ロレックスは、どの国であってもほとんど変わらない価格設定がされています。
そのため、海外の免税店で「この価格は安い」と衝動的に飛びついてしまうと、それほど得をしていないというケースもあります。
海外で買い付ける際は、日本国内での価格をリサーチすることが大切です。
ただ、個人で楽しむために購入するなら、あまり気にする必要はありません。
海外には日本国内で見られないロレックスもあり、さらに、海外で購入したという思い出には値段がつけられないものです。
ロレックスは海外で買い付けても日本国内でメンテナンスが受けられるため、長く愛用することができるでしょう。
ロレックスは大きな金額の買い物だからこそ、きちんと情報を得てから後悔のない買物を楽しんでください。
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